大判例

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東京高等裁判所 昭和38年(ラ)386号 決定

記録によると、本件強制執行手続は、債権者大和信用株式会社が東京法務局所属公証人住安国雄昭和三七年一二月二六日作成第九三三〇号金銭消費貸借契約公正証書の執行力ある正本に基いてした債権差押並びに転付命令の申請により、昭和三八年六月八日右債権差押並びに転付命令が発せられ、同年同月一一日第三債務者に、同年同月一五日債務者たる抗告人にそれぞれ適法に送達された結果、本件異議申立の日たる同年同月二〇日以前既に終了したものであることが明白である。

ところで、債務名義の送達は強制執行開始の要件であるから、若し前示公正証書の謄本が債務者たる抗告人に送達されていないとすれば、前記債権差押並びに転付命令は無効といわなければならないことは抗告人主張のとおりであるけれども、既に執行手続が終了したものと認むべき本件においては、もはや執行の方法に関する異議を申立てる余地はなく、ただ訴その他の方法により右差押転付の効力なきことを主張し得るに止まる。

然らば、本件異議申立は、前示公正証書謄本送達の有無を判断するまでもなく、不適法として却下を免れないものであつて、これと同旨にいでた原決定は相当である。

(菊池 川添 花渕)

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